ブラジル大統領選の第1回投票が10月4日に締め切られた。左派の現職ルイス・イナシオ・ルラ・ダシルバ氏と、極右でリオデジャネイロ州選出のフラビオ・ボルソナロ上院議員による激しい選挙戦を経た投票だった。下院の全513議席、上院81議席のうち54議席、州議会、27の州知事職についても投票が行われた。

初期の部分的な開票結果では、勝敗は決まらなかった。全国で開票がほぼ65%に達した段階では、ボルソナロ氏が49.8%、ルラ氏が42.25%と報じられ、ほかの複数の候補は1桁台にとどまっていた。これらは未確定の数値であり、さらに各地域から結果が届くにつれて変わる可能性があった。第1回投票で当選するには、有効票の過半数を得る必要がある。そうでなければ、上位2人が10月25日に予定されている決選投票に進む。

80歳のルラ氏は、連続しない通算4期目を目指している。自身の政治的台頭の中心となった工業都市サンベルナルド・ド・カンポで投票した際、今回の選挙をブラジルの民主主義の方向性を選ぶものと位置づけた。選挙運動では社会政策、経済指標、先住民コミュニティーとアマゾンの保護を重視する一方、息子や元側近に関する疑惑にも直面した。これらの疑惑は引き続き捜査中である。

45歳のボルソナロ氏は、ほかの右派候補の支持者を自陣営に結集させようとした。同氏はジャイル・ボルソナロ前大統領の息子である。前大統領は2022年にルラ氏に僅差で敗れ、その敗北後にクーデターを企てたとして27年の刑に服している。前大統領がほかの保守派の旗手候補ではなく息子を選んだことで、フラビオ氏の立候補は父の政治的支持基盤の多くを引き継いだ。

外交政策も選挙戦の争点になった。フラビオ・ボルソナロ氏は米国のドナルド・トランプ大統領を繰り返し称賛し、米国主導の麻薬カルテル対策に加わると約束した。ルラ氏は米政府の圧力に抵抗する姿勢を示し、トランプ氏が対立候補に有利になるようブラジルの投票に影響を与えようとしていると非難した。提供された報道では、その主張が独立した検証によって証明されたとは確認できない。

有力候補の両陣営には弱点があった。ボルソナロ氏は、父についての映画の資金を賄うため、汚職の疑いをかけられている銀行家に資金を求める様子が記録され、追及を受けた。ルラ氏は良好な社会・経済指標にもかかわらず、有権者からの強い拒否感に引き続き直面していた。一方、最高裁判所をめぐる幅広い論争が、反既成勢力の感情を強めていた。

開票によって、いずれかの候補が第1回投票の当選基準を超えるのか、それともブラジルがさらに3週間の選挙運動に入るのかが決まる。同じ投票で連邦議会と州政府の構成も変わるため、結果は、大統領選の勝者を待ち受ける与党連合の構成や制度上の制約も左右する。