ケベック州では10月5日、州議会選挙の投票が行われた。独立を目指すケベック党(PQ)が、10年以上ぶりに政権に復帰する可能性のある選挙だ。ガーディアンが伝えた選挙前の世論調査ではPQが首位に立っていたが、支持率は約30%で、州議会で過半数を確保できるかどうかは不透明だった。
今回の選挙戦は、長期的な衰退にあるとみられていた同党の目覚ましい復調を示すものとなった。ポール・サンピエール・プラモンドン党首の下、PQは従来から掲げてきたケベックの主権確立への取り組みに加え、移民、言語、アイデンティティーについて、より鮮明な主張を打ち出した。同党首は移民を減らし、学校内での目立つ宗教的シンボルの着用などへの規制を強化すると約束した。こうした立場は、かつての社会民主主義政党というイメージの枠を超える選挙戦をもたらし、ナショナリズムを重視する有権者の支持獲得を後押しした。
それでも、主権問題は同党にとって複雑な課題であり続けた。サンピエール・プラモンドン氏は、PQ政権の最初の任期中に住民投票を実施すると繰り返し約束し、同党は2028年までの投票を目指していた。ガーディアンによると、ケベック州民の大半は近い将来の再度の住民投票を望んでおらず、カナダが米国との貿易紛争のさなかにあることが、とりわけその背景にあった。選挙戦の序盤、同党首はドナルド・トランプ氏の在任中には住民投票を行わないと述べた。同党の目標を放棄することなく、当面の争点としての比重を下げた形だ。
票の配分という点でもPQには有利な状況があった。モントリオール以外の地域では、右派寄りの有権者やナショナリズムを重視する有権者の支持が、ケベック保守党を含む複数の政党に分散していた。世論調査の分析を行うフィリップ・フルニエ氏はガーディアンに対し、PQに反対する人々の間で、どの対抗勢力を支持すべきか意見が割れていると語った。こうした分散により、得票率で首位の政党が、過半数には届かない票の割合でも議会でより強い立場を得る可能性があった。
PQ政権が成立すれば、住民投票の実施前から連邦政府との新たな摩擦が生じる可能性が高い。サンピエール・プラモンドン氏は、移民の増加につながり得る連邦政府の計画について、フランス語によるサービスに一段と負担をかけるとして批判した。また、州と王制の関係を終わらせることや、州内で国王を代表するケベック州副総督の職務への資金拠出を打ち切ることにも言及した。
こうした立場は、マーク・カーニー首相との対立を招くことになる。前回の連邦議会選挙でケベック州は、独立派のブロック・ケベコワよりも連邦自由党を強く支持しており、カーニー氏は州内で引き続き人気を保っていた。ガーディアンの報道によると、有権者はトランプ政権に対する同氏の姿勢を評価していた。
したがって、10月5日の投票が問うたのは、州政権が交代するかどうかだけではなかった。アイデンティティーを重視する路線で復調したPQが、独立をめぐる住民投票に消極的な世論を乗り越えられるか、そして対抗勢力の分裂によって同党が政権運営に足る支持基盤を得られるかも試された。結果判明前に入手できた情報からは、勝者や最終的な議席配分は確定していなかった。



