拘禁刑8カ月、執行猶予1年
米国の歌手クリス・ブラウンは、2023年にメイフェアのナイトクラブで起きた暴行への関与をめぐり、拘禁刑8カ月、執行猶予12カ月の判決を受けた。ブラウンは7月に騒乱罪で有罪を認めており、サザーク刑事法院での量刑審理の直後に収監されることはなかった。
事件は音楽プロデューサーのエイブ・ディアウ氏への暴行に関するもので、同氏は頭部と膝を負傷し、病院での治療を必要とした。法廷で確認された監視カメラ映像には、ブラウンがテキーラの瓶でディアウ氏を殴り、頭部にも打撃を加える様子が映っていた。トニー・バウムガートナー判事は、瓶を繰り返し使った行為は明らかに危険だったと述べ、ブラウンが共同の犯行で主導的な役割を果たしたとした。
判事は行為そのものだけでなく、現場の状況も考慮した。暴力行為は混雑した狭い会場内で起き、被告2人は逃れようとしたディアウ氏を追いかけた。一連の行為は長くても約20秒間で、計画的なものではなかったが、裁判所は激しい暴行だったと評価した。
共に起訴されたボーカルコーチのオモロル・アキンロルには、拘禁刑4カ月、同じく執行猶予12カ月が言い渡された。判事は同被告の役割も重大だったと認定したが、暴力を始めたわけでも、瓶を使ったわけでもないとして、ブラウンとは区別した。検察によると、同被告は地面に倒れたディアウ氏を殴り、蹴りを1回加えた。両被告はそれぞれ訴追費用として1,500ポンドを支払わなければならない。
執行猶予の意味
執行猶予付きの拘禁刑も刑事罰であることに変わりはないが、被告は直ちに服役するわけではない。裁判所は、12カ月の猶予期間中に新たに有罪判決を受けた場合、新たな犯罪に対する刑に加えて、元の拘禁刑も執行される可能性が高くなると説明した。今回は追加の要件は課されなかった。
バウムガートナー判事は、今回の刑は犯罪の重大性に見合う最短の拘禁期間だと述べた。また、2026年量刑法には、対象者が除外される場合や、例外的な事情により即時収監が正当化される場合を除き、12カ月以下の短期刑は原則として執行を猶予すべきだとする規定があると指摘した。同判事は、その要件から外れる根拠はないと判断した。
量刑に当たって判事は、ブラウンが長期間にわたる保釈条件を守ったこと、家族への責任、仕事、慈善活動も考慮した。また、2009年と2013年に暴力に関係する有罪判決を受けていることに触れ、古い前科であると認めつつも、その性質から今回の判断に関係すると述べた。この判決により、有罪答弁を受けた量刑段階は終了したが、裁判所の命令の中心となる条件として、1年間の執行猶予は引き続き効力を持つ。



