議会の主導権を懸けた投票
米国では中間選挙の投票が行われている。共和党が議会の主導権を維持するのか、それとも民主党がドナルド・トランプ大統領の2期目最後の2年間に政権を抑制する力を得るのかが決まる。選挙の対象は、下院の議決権を持つ全435議席、上院35議席、39の知事職に加え、州や地方の数千に上る公職だ。
共和党は下院で、わずかな議席減も響きかねない状況で投票日を迎えた。2年ごとに改選される下院の主導権を握るには、民主党は議席を差し引き4つ増やす必要がある。上院では通常の改選33議席に加え、フロリダ州とオハイオ州で補欠選挙が行われる。共和党は上院で53議席を持ち、民主党と同党に協調する無所属議員は合わせて47議席を占めるため、民主党が過半数を確保するには4議席を上積みする必要がある。
議会選挙の結果は、連邦政府の立法と監視のあり方を左右する。法案の成立には両院の承認が必要で、委員会は行政府を調査できる。大統領と議会の多数派が異なる分割政府となれば、ホワイトハウスの政策推進が遅れ、政権がより厳しい監視にさらされる可能性がある。共和党が主導権を維持すれば、トランプ氏は議会を通じて政策を進めやすくなる。
長年の選挙区割りの見直しと政治的分極化を経て、下院で本当に接戦になるとみられる選挙区は一部に限られる。上院ではミシガン、ジョージア、メーン、オハイオ、テキサス各州の選挙が注目され、アラスカ、カンザス、アイオワ、ノースカロライナ、ニューハンプシャー各州でも競り合いが続く。上院が50対50となった場合、共和党のJD・バンス副大統領が同数時の決定票を投じる。
選挙戦の中心的な争点は、食料、住宅、燃料、医療を含む生活費の負担だ。移民、人工妊娠中絶の権利、投票規則、人工知能、データセンター、関税、貿易も取り上げられている。知事と州議会は教育、生殖に関する権利、税制、選挙運営などの分野で政策を定めるため、州の選挙にも独自の重要性がある。
歴史的に、中間選挙は大統領の所属政党にとって厳しいものとなってきた。過去20回の中間選挙のうち18回で、ホワイトハウスを担う政党が下院の議席を減らした。ただし、必ずそうなるわけではない。2002年にはジョージ・W・ブッシュ政権下の共和党が議席を増やした一方、バラク・オバマ政権下の民主党やトランプ氏の1期目の共和党は、下院で大きく議席を失った。
今回の選挙では、当局が投票をどのように運営し、結果を認定するかにも注目が集まる。トランプ氏は支持者に対し、この選挙を自身の大統領としての仕事に対する審判と捉えるよう促している。当面の焦点は、その呼びかけが歴史的にみられる中間選挙での逆風を覆して共和党の多数派を維持できるのか、それとも政権への不満によって民主党が一方または両方の院の主導権を握るのかという点だ。



