出来事の日付:2026年9月29日

情報公開請求で開示された記録によると、ロンドンの鉄道駅で6か月間実施されたリアルタイム顔認識の試験では、50万人を超える人々の顔がスキャンされたものの、この技術に直接起因する逮捕はなかった。この期間に監視対象者リストとの照合で出された唯一の警告は、誤った一致判定だった。

英国鉄道警察は2月から7月にかけて、首都でも特に利用者の多い交通拠点の一部で18回運用した。機材のレンタルと警察官の配置にかかった費用は32万786ポンドで、警察官の稼働時間は100時間近くに及んだ。このシステムは、指名手配者や裁判所の命令に違反した疑いのある人物を特定するため、通行人を警察の監視対象者リストと照合した。

この結果を受け、公共交通機関で生体情報を広く監視することが、得られる成果に見合うのかという疑問が強まっている。リアルタイム顔認識では、監視対象者リストに一致しない人の画像は通常の防犯カメラ映像とは異なる方法で扱われるものの、顔の情報がその場で処理される。それでも特別なカテゴリーに属する個人データを扱うことに変わりはなく、警察が場所、運用時間、監視対象者リストへの登録者をどう選ぶかが重要になる。

英国鉄道警察は試験を4か月延長し、対象をロンドン地下鉄の駅にも広げた。同警察によると、その後の段階では、本人との一致が確認された警告が3件あったが、該当者はいずれも性的危害防止命令やその他の裁判所の条件を守っていると判明した。このため、これらの警告も逮捕にはつながらなかった。

警察はまた、運用中に暴行、窃盗、攻撃用武器の所持、犯罪行為禁止命令への違反、公共秩序に関する犯罪の疑いで、関連する逮捕があったと報告した。ただし、これらの事件は顔認識の警告をきっかけとしたものではないため、システムの実績を示す数値には含めていないと強調した。

当局者は、この試験の目的は、指名手配中の犯罪者や、乗客・職員に危険を及ぼす可能性のある人物の発見に、技術がどう役立つかを見極めることだったと説明した。同警察によると、管理体制とデータ品質を守る仕組みを整える間は意図的に限定したリストで始め、試験の進行に合わせて運用手順、場所、機材、監視対象者リストの作成方法を調整したという。

批判的な立場の人々は、より明確な法的枠組みと、より強固な保護措置が整うまで拡大を待つべきだと主張している。議会の人権委員会による最近の報告書は、リアルタイム顔認識を、人工知能が権利に及ぼし得るリスクを特に明確に示す例として挙げた。

試験の最初の6か月間の結果は、顔認識が鉄道警察の活動に決して役立たないと証明するものではない。ただし、この環境での実績を具体的に示してはいる。大規模なスキャンと多額の公費支出があった一方、一致判定による逮捕はなかった。今後も導入を進める場合には、監視対象者リストや運用方法を変えることで、プライバシーへの不釣り合いな負担を課すことなく、この実績を大きく改善できるのかが厳しく問われることになる。