地方自治体の会議から数千件の発言を収集

米国各地の地方自治体の会議でデータセンターについて述べられた市民の発言を1万件以上集めた、新たなオンラインデータベースが公開された。急拡大するこの産業を住民がどのように論じているか、検索して調べることができる。「America on Data Centers」プロジェクトによると、収録対象は48州の906会議での発言1万202件で、各項目には発言時点を示すタイムスタンプと元の動画へのリンクが付いている。

同プロジェクトは、抽出した会議では反対意見が大勢を占めたと報告している。少なくとも1人の賛成者が発言した会議に比較対象を絞っても、反対者は賛成者の6倍に上ったという。ただし、この結果を全国的な世論調査として受け取るべきではない。議会で発言するのは自ら参加を選んだ人々であり、地域ごとに議題が異なるうえ、具体的な計画に直面する地域社会では参加意欲がより高い可能性がある。サイト自体も、市民の発言が米国全体の意識を必ずしも代表するものではないと注意を促している。

それでも、この分析は、データセンター計画が地元の承認手続きを進むなかで、どのような問題が当局者に届けられているかを浮き彫りにする。プロジェクトによると、多くの発言者は、約束された恩恵が実現するのか疑問を呈していた。土地利用、地域らしさ、公共料金、行政の透明性、大気汚染、農地、財産権が、いずれも懸念として挙がった。発言の5件中4件は人工知能に言及しておらず、地域の議論は建物内で処理される技術的な仕事よりも、施設の開発そのものや社会が負担する費用に焦点を当てることが多いと示唆される。

サイトは発言を地理的・政治的背景によっても分類している。それによると、共和党支持が強い郡では土地や地域らしさへの懸念がより頻繁に挙がり、民主党支持が強い郡では気候変動や貧しい地域への負担の偏りがより多く論じられた。農村部の発言者は、都市部や郊外の発言者に比べて農地と財産権を重視していた。一方、都市部や郊外では、透明性、行政への不信、汚染、公共料金がより多く取り上げられた。これらはプロジェクトが自らのデータセットを分類した結果であり、査読済み研究の結論ではない。

賛成意見がなかったわけではない。資料集によると、43の地方自治体で労働組合による支持が見られた。これは、大規模インフラ事業にしばしば伴う建設や雇用をめぐる議論を反映している。利用者は特定の企業に言及した発言を閲覧し、元になった記録映像の一部を見ることもできる。

このデータベースは、Prophecy Govが内部で保管する30万件以上の議会会議のアーカイブを基にしている。その価値は、会議の一次資料となる映像や個々の発言を調べやすくした点にある。同時に、その限界も重要だ。この標本が捉えているのは、選ばれた会議の記録に残る発言であって、すべての住民の考えではない。この違いを踏まえて使えば、テクノロジー産業で最も目立つ建設ブームの一つを取り巻く地方政治の動きを、詳しく知る手がかりとなる。