米国のピート・ヘグセス国防長官は、新興技術が戦争のあり方をどう変え得るかを検討する政府調査の責任者に、イーロン・マスク氏、Andurilのパルマー・ラッキー最高経営責任者、ニュート・ギングリッチ元下院議長を指名した。「Project Meridian」と呼ばれる国防総省の取り組みは120日間を予定し、最後に機密指定のない報告書をまとめる。

この計画は、将来の戦場で米国に必要となり得る能力を特定することを目的とする。ガーディアンが報じた国防総省の説明によると、対象には人工知能、自律システム、指向性エネルギー、ロボティクス、バイオテクノロジーが含まれる。地下や月面など、より非従来的な環境での作戦も検討する。

ヘグセス氏は、複数の分野で同時に進む急速な技術変化への対応として、この検討を位置付けた。新たな領域や手段が紛争の計画・遂行方法を変える可能性があり、軍は競争相手が新たな能力を配備した後に対応するのではなく、作戦条件を予測する必要があるという考え方だ。公開報告書は、作業部会の提言を確認できる記録となるはずだが、発表では、その提言を調達やドクトリンにどのようにつなげるかは明示されなかった。

委員構成は、著名な技術界・政界の人物を検討に迎える一方、明確な事業上の利害関係も伴う。マスク氏はSpaceXを、ラッキー氏はAndurilを率い、両社とも国防総省と大規模な契約を結んでいる。Andurilの中核事業は、政府機関に防衛技術を供給することだ。両氏の参加により、先端システムの構築に深く関わる経営者の知見を活用できる一方で、提言や事業への潜在的な影響についての透明性も重要になる。

マスク氏にとって今回の任命は、トランプ政権の歳出削減の取り組みである政府効率化省(Department of Government Efficiency)での役割を経て、正式な政府の仕事に復帰する機会となる。Project Meridianは、連邦政府機関全体の日々の再編に責任を負うのではなく、調査期間が定められ、公開の成果物をまとめるものであり、以前の任務より範囲が狭く、期間も短いとみられる。

ギングリッチ氏は、政府や防衛政策分野での経験を加える。共和党の元下院議長である同氏は、2020年12月に国防政策委員会に任命され、2021年初めの政権交代後に解任された。また、重要インフラに対する電磁パルス攻撃の危険性について、数十年にわたって警告してきた。

Project Meridianの実際の意義は、最終報告書の具体性と、軍の指導部がその提案を採用するかどうかに左右される。広範な任務は、ソフトウエアや自律機械から、バイオテクノロジー、従来の陸海空の領域を超えた作戦にまで及ぶ。今後4カ月間の中心的な課題は、3人の共同責任者が、委員会に関わる事業上の利害によって結論の根拠が不透明になることを避けつつ、多岐にわたる対象を、具体的で外部から評価可能な優先事項にまとめられるかどうかだ。