Canonicalは、長期サポート版Resolute Raccoonシリーズの最初のポイントアップデートとなるUbuntu 26.04.1 LTSを公開した。同社によると、ダウンロード用イメージにはUbuntu 26.04の公開以降に実施された修正や改善がまとめられており、Ubuntu 24.04 LTSの利用者にはデスクトップ上でアップグレードの案内が表示される予定だ。
このリリースでUbuntuのデスクトップ環境のWaylandへの移行が完了し、GNOME 50が搭載される。Canonicalによると、小数倍率の画面スケーリングと可変リフレッシュレートが実験段階を終え、モニターごとの拡大率設定、タッチおよびジェスチャー操作、現行の正式版Nvidiaドライバーとの互換性にも対応する。標準アプリケーションには、文書用のPapers、画像用のLoupe、端末用のPtyxis、システム監視用のResourcesが含まれるようになった。App CenterではDebianパッケージとsnapをまとめて表示する。
開発者向けには、Python、Rust、Ruby、Go、PHP、Perlなどの言語のツールチェーンが刷新される。またCanonicalによると、Ubuntu 26.04はNvidia CUDAをソフトウェアリポジトリで直接提供する、このディストリビューション初のバージョンとなる。NvidiaのネットワークソフトウェアDOCA-OFEDは公式のPersonal Package Archiveから入手できる一方、AMDのROCmプラットフォームは、人工知能や高性能計算の処理を高速化する用途に向けてUbuntuのリポジトリに加わった。
セキュリティ面の変更も、このポイントリリースが訴求する大きな要素だ。インストーラーではTPMを利用したフルディスク暗号化が一般提供となり、暗号化されたストレージをマシンのトラステッド・プラットフォーム・モジュールに結び付ける。Security Centerでは、導入後に暗号化、復旧、Secure Boot、ディスク保護の設定を確認できる。Canonicalは、Rustによるカーネル開発やsudo-rs、uutilsの実装を含め、メモリー安全性を備えたシステム構成要素が増えたことも強調している。同時に、互換性のためGNU版の選択肢も残している。
同社によると、システムはハイブリッド型の耐量子鍵交換を標準で有効にし、旧来の暗号方式を廃止する。Intel TDXとAMD SEVによる機密コンピューティングのホスト側・ゲスト側のサポートを追加し、Canonical Livepatchの対象をArm64へ拡大するほか、cloud-initとUbuntu Proの統合によってWindows Subsystem for Linuxの利用環境を更新する。企業向けのID管理対応には、Microsoft Entra ID、Google IAM、OpenID Connect互換サービスなどのプロバイダー向けauthdパッケージが含まれる。
LTSリリースとして、Ubuntu 26.04のmainリポジトリには5年間の標準セキュリティ保守が提供される。CanonicalはUbuntu Proについて、対象パッケージを増やし、保守期間を10年間に延長するサービスと説明している。有料のLegacy Support追加サービスを利用すると、その期間は15年間になる。
この.1イメージは、LTS間の移行に当たり、最初の保守リリースを待つ慎重なデスクトップ管理者や多数の端末を管理する担当者にとって、特に重要だ。アップグレードの案内が利用可能になっても、広範な展開に先立ってハードウェア、アプリケーション、暗号化の復旧、管理ツールを検証する必要がなくなるわけではない。



