# 米国、留学生の卒業後就労制度に最大10万ドルの負担を課す案

米連邦政府の案では、留学生が卒業後にOptional Practical Trainingに参加する際、教育機関に最大10万ドルの支払いを義務付ける。米国の大学から科学・技術分野の仕事に進む主要な経路を、大きく変える可能性がある。この計画は提案段階で、まだ確定していない。

一般にOPTと呼ばれるOptional Practical Trainingは、要件を満たす留学生が学位取得後に米国で働くことを認める制度だ。対象となる科学、技術、工学、数学の分野の卒業生は、最長3年間利用できる。Natureが報じた数字によると、2025~26年度の参加者は約42万人で、留学生のおよそ3分の1に当たる。

提案では、OPTの最初の1年間の負担額は計7万ドルとなる。STEM分野の卒業生がさらに2年間の延長を利用すると、追加で3万ドルが発生する。制度上は教育機関が支払うことになるが、その金額の大きさは、大学が卒業生の参加を支援するかどうかに影響し、学生の留学先の選択も変える可能性がある。

国土安全保障省(DHS)は、この措置の目的を不正の削減、移民制度の健全性の強化、米国人労働者の保護としている。同省自身の予測では、規則が確定した場合、OPTの参加者は最大44%減少する可能性がある。DHSは、大学全体の年間支払額を84億~165億ドルと見積もっている。

この案を検討している研究者は、一部の学位区分ではさらに大きな影響が出るとみている。ジョンズ・ホプキンス大学の政治・政策大学院に所属する経済学者マイケル・クレメンスは、学士号取得後の参加者が半減し、修士号取得者の参加はほぼなくなると推計した。同氏の分析は、STEM分野で博士号を取得した留学生にとってのOPTの重要性にも言及しており、2022年にはその約70%が利用していた。

クレメンスは、留学生の入学者数の減少によって、米国の大学は授業料などの収入を年間25億~42億ドル失う可能性があると予測する。また、米国の全米科学アカデミーの委託による別の研究で、同氏らは、政権の一連の移民政策案が米国のSTEM分野の労働力を10年間で6~11%減少させる可能性があると推計した。これらの数字は予測であり、実際に観測された結果ではない。

今回の案に先立ち、研究者や高度な技能を持つ労働者に影響する別の制限も導入されている。Natureは、2025年に別途10万ドルの課徴金が発表された後、高度技能労働者向けビザの申請が急減したと報じた。同誌が取材した政策の専門家は、さらに高額な負担が加われば、留学希望者が他国に向かい、大学やテクノロジー企業が頼る人材供給の経路が弱まる可能性があると指摘している。

DHSは不正利用への対応に監督の強化が必要だと主張する一方、批判する側は費用の規模と、それに対して学生や教育機関がどのように行動するかを重視している。規則はなお提案段階にあるため、最終的な条件、実施日、実際の影響は、規則制定の過程で変わる可能性がある。