身近な家電が見慣れない姿に

シーリングファンの設計が、照明との一体化、消費者への直接販売、装飾品も兼ねる器具への需要の高まりを軸に変わりつつある。建築批評家ケイト・ワグナーがブログ「McMansion Hell」で10月1日に公開した調査は、ファンと照明の境界を曖昧にする製品があふれる市場を描いている。

取り上げられた例は、シャンデリア風の外観に隠し羽根や収納式の羽根を組み合わせた、いわゆる「ファンデリア」から、小さな透明のファンを内蔵する天井直付け型の照明まで幅広い。一般的な回転部の周囲に装飾を施したモデルや、珍しい形の羽根によって、送風装置というより彫刻に見える製品もある。

ワグナーは、自宅のアパートの器具を更新する方法を探すなかで、100点を超えるシーリングファンを調べたという。これは市場調査ではなく批評だが、ネット上の選択肢がどれほど広がったかを捉え、調べた製品に繰り返し見られる構造やデザイン上の選択を指摘している。

LEDが従来の制約を取り払う

この変化の中心にあるのが、組み込み式のLED照明だ。かつて、交換式の電球を用いることは、照明とファンを組み合わせた器具の構成を、見慣れた形に制約していた。これに対し、組み込み式LEDはリングや管など、さまざまな形状に沿って配置でき、メーカーが器具の外形を設計する自由度は大きく高まる。この柔軟性が、見た目ではファンより照明が主役となる複合製品を生み出している。

その代償は修理のしやすさだ。ワグナーによると、こうした器具の多くは安価で、200ドル未満で販売されることも多いが、交換できない可能性のあるLED部品を使っている。そのため、モーターがまだ使える状態でも、照明の故障によってファンと照明の装置全体が廃棄物になりかねない。

ネット通販は、どの製品が買い手に届くかも変えている。大手の通販市場は、ショールーム用の在庫を維持することなく、よく似た多数のモデルを掲載できる。海外での製造と整備された配送網によって、多くの派生型を経済的に提供できるようになり、商品ランキングや販売データは、すでに注目を集めている形式を販売者が繰り返し改良する後押しとなる。

結果として生まれているのは、シーリングファンの新たな単一の標準ではない。羽根を隠したクリスタル調の器具、円形の照明に埋め込まれた小型ファン、枠で囲まれた回転部、装飾用の羽根がまったく動かない製品など、互いに似通ったデザインの増殖だ。ワグナーは多くの例に強く懐疑的で、とりわけ外観のために風量や修理のしやすさを犠牲にする製品を批判している。それでも、この製品群は、成熟した家庭用技術がLEDと電子商取引によって作り替えられていることを示している。ファンが消えたわけではない。今の製品の多くでは、照明器具の中の一部品になったのである。