オランダ人作家ヤエル・ファン・デル・ワウデンは2025年6月12日、デビュー小説The Safekeepで2025年ウィメンズ・プライズ・フォー・フィクションを受賞した。英国の緩和ケア医レイチェル・クラークは、The Story of a Heartでウィメンズ・プライズ・フォー・ノンフィクションを受賞した。

各賞の賞金は3万ポンドで、国籍を問わず英語で執筆する女性が対象だった。フィクション賞は1996年に創設され、ノンフィクション部門は、書評や著名なノンフィクション賞で女性が十分に取り上げられていない状況に対処するため、その前年に新設されていた。

1960年代初頭のオランダを舞台とするThe Safekeepは、ある家族とその家、そして第二次世界大戦後の時期に由来する隠された記憶を描く。フィクション部門の審査委員長キット・デ・ワールは、この小説を官能的でありながら不穏だと評し、フィクションではほとんど探究されてこなかった戦争とホロコーストの歴史の一面に光を当てたと述べた。

ファン・デル・ワウデンは、この本が、社会が何を含め、何を排除し、何を忘れることを選ぶのかも含め、歴史が語られるあり方を扱ったものだと述べた。2024年には、オランダ人作家として初めてブッカー賞の最終候補に選ばれた。受賞スピーチでは、自身がインターセックスであると明かし、医療を求めて闘い、法律や社会規範を変えたトランスジェンダーの人々のおかげで、自分は女性としてこの賞を受け取ることができたと述べた。

クラークのThe Story of a Heartは、9歳のキーラとマックスという2人の子どもを通じて、臓器提供の医学的かつ人間的な物語をたどる。キーラは交通事故後に亡くなり、マックスは彼女の心臓によって命を救われた。ノンフィクション部門の審査委員長カビタ・プリは、クラークの調査、専門的な確かさ、思いやりを称賛した。

クラークは両家族に敬意を表し、この題材は最終的には死と同じくらい生についてのものだと述べた。また、移植の物語を、臓器提供を可能にした1世紀にわたる医学の進歩の中に位置づけた。この本が、米国などの一部政治家による非科学的な言説に対抗する一助になればと希望しているとも述べた。

式典では、賞を運営する団体の創設30周年も祝われた。作家のバーナディン・エヴァリストは、文学界への影響と、十分に代表されてこなかった人々の声への支援を評価され、賞金10万ポンドの特別功労賞を受賞した。エヴァリストは2019年にGirl, Woman, Otherでブッカー賞を共同受賞し、その翌年にはウィメンズ・プライズの最終候補となった。

主要2部門の受賞者は、異なる形の物語を体現していた。ファン・デル・ワウデンの小説は家庭内の秘密を通して歴史的記憶を考察し、クラークのノンフィクションは医学が個人にもたらす親密な影響をたどった。2人の選出は、独立したノンフィクション賞が加わって以降、ウィメンズ・プライズのプログラムが対象範囲を拡大してきたことも反映していた。