# アン・カーソン、2026年のノーベル文学賞を受賞

カナダの作家アン・カーソンが2026年のノーベル文学賞を受賞した。詩、小説、批評、翻訳、パフォーマンスを行き来する作品群に対し、世界で最も著名な文学賞が贈られる。スウェーデン・アカデミーは、古典の伝統への独創的な向き合い方と、現代文学に新たな形式を生み出してきた役割を評価した。

76歳のカーソンは、10月8日の公式発表の直前にアカデミーから連絡を受けた際、アイスランドにいた。事務局長のイングリッド・カールベリ氏によると、本人は驚き、喜んでいたという。カーソンは持ち前のユーモアで応じ、アイスランドの放送局RUVに、自分を選ぶとは審査員は「正気ではない」と語った。

この賞は特定の1冊ではなく、作家としての活動全体をたたえるもので、賞金は1,200万スウェーデン・クローナ、約120万米ドルとなる。代表作には、The Glass Essay、Autobiography of Red、Nox、Float、The Beauty of the Husbandがある。カーソンの作品では、古代ギリシャ文学は固定された原典というよりも、語り口、構成、ジャンルを実験するための素材として扱われることが多い。

アカデミーのノーベル文学賞委員会委員長アンダース・オルソン氏は、カーソンが、安定した語り手としての自己を中心に据える抒情詩から離れていったと述べた。古典と現代の詩の間、さらには異なる芸術形式の間を行き来する、遊び心とアイロニーに満ちた作品を生み出してきたと評価した。視覚芸術家、振付家、演劇の演出家、オペラの作り手たちとの協働も、そうした幅広い活動の一部をなしている。

近年のプロジェクトにも、その幅広さが表れている。2019年のパフォーマンス作品Norma Jeane Baker of Troyは、トロイのヘレネとマリリン・モンローを結び付けた。2021年には、エウリピデスの作品をグラフィック作品として再構成したThe Trojan Women: A Comicを刊行した。カーソンが翻訳したソポクレスのElektraは、ブリー・ラーソンを主演にロンドンで上演された。これらの作品は、学問や翻訳が独創的な執筆としばしば切り離せない、カーソンの長年の活動をさらに広げるものだ。

1950年にトロントで生まれたカーソンは、ミシガン州に住み、2022年からアイスランド国籍も持つ。30年以上にわたって古典学を教えており、その学問的基盤は作品全体に見て取れる。古代のテキストを解説的な研究だけで提示するのではなく、翻訳、エッセイ、詩の境界を曖昧にする新たな文学作品の中に繰り返し組み込んできた。

カナダのマーク・カーニー首相は、今回の受賞を並外れた偉業であり、国にとって誇らしい瞬間だと述べた。カーソンの想像力と、古代の物語を新たな読者に届ける力を称賛した。

ノーベル賞は、カーソンが1990年代以降に積み重ねてきた国際的な評価を確かなものにすると同時に、単純な分類になじまない作品へ新しい読者を導く。その分類のしにくさこそが、アカデミーの選考の核心にある。カーソンの長く残る貢献は、単に古典文学を読み直すことではなく、古代の物語、現代の生活、批評的思考が同じ作品の中に共存できる形式を見いだしたことにある。