# イングランド銀行、次期紙幣シリーズに野生動物のテーマを採用

英国の中央銀行は、今後発行する5ポンド、10ポンド、20ポンド、50ポンド紙幣の裏面に、野生動物をテーマとする図柄を採用することを決めた。ニシツノメドリ、メンフクロウ、セイヨウオオマルハナバチ、ナミハリネズミが、それぞれいずれかの額面の主要な図柄となる。

今回の選定は、野生動物の専門家がまとめた18種の候補を対象とする一般向けの意見募集を踏まえたものだ。参加者は計478,531人で、投票総数は250万票を超えた。マルハナバチは360,399票を集めて最多となり、メンフクロウとハリネズミはそれぞれの部門で首位に立った。

ニシツノメドリは鳥類で最多得票ではなかったが、担当者らは海の動物として最も人気が高かったことを理由に選んだ。表現する生き物の幅を広げ、英国の海岸の魅力をたたえるとともに、額面の区別をしやすくする狙いがあるという。どの動物をどの額面に割り当てるかは、まだ決まっていない。

この刷新は、ポンド紙幣の視覚的な表現にとって大きな変化となる。現在の紙幣の裏面には、ウィンストン・チャーチル、ジェーン・オースティン、J・M・W・ターナー、アラン・チューリングが描かれている。新シリーズが流通を始めれば、著名な歴史上の人物を裏面に描かないシリーズは1970年以来初めてとなる。反対側の面には引き続き君主が描かれる。

今回の発表はデザインの初期段階の決定であり、紙幣の切り替えが間近に迫っているわけではない。担当者らは今後、図案の制作や素材の試験を行い、偽造防止と使いやすさに関する要件を盛り込む必要がある。次期首席出納官のリース・フィリップスは、この工程には数年かかる可能性があり、最終的なデザインは発行時期が近づいてから公表すると述べた。主役となる4種以外の自然の要素が描かれる可能性もある。

同行は、紙幣の更新周期を偽造防止の取り組みと結び付けている。首席出納官のビクトリア・クレランドは、選ばれた生き物が英国の野生動物の多様性を映し出すと同時に、紙幣の安全性向上にも役立つと述べた。この技術的な理由が示される一方、チャーチルらの肖像をシリーズから外すことには政治的な批判が出ている。

スコットランドの商業銀行が発行する一部のポンド紙幣には、すでに野生動物が登場しており、カワウソ、キタリス、ミサゴ、サバを描いたものなどがある。今回の決定が対象とするのは、イングランド銀行が発行する紙幣に限られる。同紙幣はイングランドとウェールズ全域で流通し、英国の他の地域でも広く使われている。

一般の人々にとって、直ちに変わることはない。既存の紙幣は引き続き流通し、発行日程も発表されていない。次の段階では、意見募集の対象だった動物たちを、耐久性があり、識別しやすく、偽造に強いデザインへと落とし込む長期の制作作業が進められる。