2026年8月15日に米国心臓病学会が発表した研究によると、腹囲とウエスト・ヒップ比によって、体格指数(BMI)だけでは見逃される可能性のある心血管リスクを特定できる。この研究はJournal of the American College of Cardiologyに掲載され、26万人超を平均20年間追跡した。

BMIは、体重(キログラム)を身長(メートル)の2乗で割った値で、標準体重、過体重、肥満の分類に広く用いられている。ただし、体脂肪がどこに分布しているかは示さない。この限界が重要なのは、腹部臓器の周囲にある内臓脂肪が、皮膚直下の皮下脂肪よりも心疾患や糖尿病との強い関連を示しているためだ。ウエストの測定値は、脂肪が体の中心部にどのように分布しているかを簡単に示す指標となる。

Cross Cohort Collaborationの研究者らは、腹囲またはウエスト・ヒップ比のデータがあり、かつ9つの転帰のうち少なくとも1つに関する情報がある参加者を調べた。これらの転帰には、致死性および非致死性の心筋梗塞と脳卒中、心不全、心房細動、冠動脈性心疾患全体、心血管疾患全体、心血管死および冠動脈疾患死、ならびに全死因死亡が含まれた。

BMIで標準体重に分類された人のうち、5%は腹囲が大きく、18%はウエスト・ヒップ比が高かった。過体重群では、39%が大きな腹囲、40%が高いウエスト・ヒップ比だった。逆に、肥満と分類された人の9%は腹囲が小さく、45%はウエスト・ヒップ比が低かった。

BMIが標準または過体重でありながらウエスト測定値が高い参加者は、調査対象となった転帰の大半についてリスクが15~50%高かった。肥満で腹囲が小さい人は、大半の転帰について、標準体重で腹囲が小さい参加者との間に有意なリスク差がなかった。例外は全死因死亡で、肥満かつ腹囲が小さい群ではリスクが有意に低いと報告された。

この結果はコホートデータから得られた関連性であり、ウエスト測定値そのものを変えることがリスクの増減を引き起こすとは示していない。また、この研究には身体活動、食事、遺伝的な肥満リスクに関する情報がなかった。ウエスト測定は1度しか行われておらず、腹部脂肪の経時的変化が後の転帰とどのように関係したかを分析するには限界があった。

著者らは、臨床医が一次予防の評価を行う際、BMIの全範囲を通じて中心性脂肪蓄積を考慮すべきだと主張している。従来のBMIの標準範囲内であっても、より高いリスクと関連する腹部脂肪を抱えている可能性がある一方、BMIが肥満域にある別の人でも、ウエスト測定値が低ければ同じリスク特性を示さない可能性がある。

この知見は、腹囲やウエスト・ヒップ比を診断基準とするものではなく、より包括的な臨床評価に代わるものでもない。体重と身長だけでなく、測定しやすい2つの指標を追加することで、集団レベルのリスク分類を精緻化できることを示している。個々の医療上の判断では、引き続き健康歴全体と、確立されたその他の心血管因子を考慮すべきである。